「健康保険組合」もフリーランスが加入できる健康保険の種類のひとつ

フリーランスの保険事情

独立前に知っておきたい!

フリーランスでも加入できる「健康保険組合」

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フリーランスでも加入できる健康保険がある

フリーランスになるとそれまでの健康保険から国民健康保険へ切り替えることになります。国民健康保険は市区町村などの自治体が母体になり運営しているケースと「国民健康保険組合」が運営しているタイプのものに分けることができます。国民健康保険組合は医師や歯科医師、薬剤師、または建築土木など「業種ごとに運営される組織」となっていて、2015年の時点で160以上の組合が設立されています。その中にはフリーランスでも加入できる健康保険組合が存在するのを知っているでしょうか。それが「文芸美術国民健康保険組合」、略して文美国保です。

文芸美術国民健康保険組合とは

文美国保とは文芸や美術、著作活動に従事しており組合加盟団体に入っている人、またはその家族が加入することができる国民健康保険制度です。加盟団体には「東京コピーライターズクラブ」「日本イラストレーション協会」「日本写真家協会」など実に64もの団体が加盟しています。これらの事業を行っているフリーランスの人は団体に加入することができます。日本イラストレーション協会を例に見てみると、加入できる職業は「イラストレーター」「Webデザイナー」「漫画家」「編集」などと具体的に指名されています。加入する時には「直近の確定申告書の控え」を提出し職業欄にイラストレーターなど職業を書き込み申し込むと審査の結果加入できるかどうかが決まります。関係のない職業の人は加入することができませんので注意してください。

日本国内に住所を有し、文芸、美術及び著作活動に従事し、かつ、組合加盟の各団体の会員である者とその家族。

文芸美術国民健康保険組合から引用。

健康保険組合の情報は[文芸美術国民健康保険組合]

保険料の詳細だけでなく必要な書類もダウンロードでき、割引が適用される施設も紹介されています。

健康保険組合の情報は[文芸美術国民健康保険組合]

文美国保の保険料はいくらからお得?

文芸美術国民健康保険組合の保険料の特徴は、収入に限らず保険料が一律ということです。組合員一人あたりの月額は16900円となっており、40歳から64歳では介護保険料分の3600円をプラスして支払います。家族分も月額8700円で加入可能です。収入が低いフリーランスの人にとっては多少割高に感じるかもしれませんが、ある程度の収入を超えるとかなりお得な金額に感じると思います。目安としては収入から必要経費や控除を引いた所得が300万円を超えた場合、国民健康保険から文美国保への切り替えを検討するとよいでしょう。また文美国保に加入するには会費など保険料以外を支払う必要が生じますので、そのあたりを加味した上で加入するかどうか判断をする必要があります。ただし、文美国保に加入している組合が安く利用できる人間ドック割引契約施設などの特典もありますので、自分の家族構成や収入なども含めて総合的に考える必要があるでしょう。

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