フリーランスと会社員の保険の違い
フリーランスと「労働者」の違い
会社員時代と違いフリーランスになると人間関係の煩わしさがなく自分ですべてのことを決めることができるなどのメリットがあります。しかし自由な反面、会社が代わりにしてくれていた様々なことをすべて自分で行わなければならない責任が生じます。また法律上でも会社員とフリーランスとでは大きく違ってきます。会社員として働いている人は、正社員だけでなく契約社員や派遣社員、アルバイトなど雇用形態に関わらず、法律上「労働者」という枠組みに入ります。
そして労働者は「労働基準法」などのいろいろな法律により手厚く守られています。例えば1日の労働時間が8時間以内でそれ以上働く時は時間外手当が出ること。1週間の合計労働時間は40時間以内でそれ以上働く時はやはり手当を出す必要があることなど法律で細かく決まっています。しかしフリーランスは労働者ではないためこれらの法律による保護がありません。そして両者の差が最も現れるのが「社会保険」なのです。
労働者の「社会保険」は手厚い
勤務時間だけでなく「社会保険」についても労働者は法律により手厚く守られています。よく募集要項に「社会保険完備」と記載されていることがありますが、これはフリーランスにはない労働者だけの権利といえるでしょう。具体的には、労働者は「健康保険」「厚生年金」「労災保険」「雇用保険」と呼ばれる社会保険に加入しています。手続きは会社が行ってくれるため、新卒で企業に就職した人の場合は保険に加入していることすら気づいていない人もいるかもしれません。
しかも労災保険に関しては会社が全額負担していますし、雇用保険は半分以上が会社負担です。健康保険と厚生年金も会社と労働者で保険料を折半しています。これは労働者に対して雇用する会社が行うべき義務として法律に明確に記載されているため、どの会社にどのような雇用形態で働いていたとしても労働者である以上受けられる恩恵です。会社員を辞めてフリーランスになった時に初めてその有難さを感じるのではないでしょうか。
フリーランスの社会保険は自己負担
フリーランスになると「労働者」ではなくなります。勤務時間、社会保険に関して労働者を守ってくれた労働基準法などの適用外になってしまいます。また社会保険のうち、労災保険と雇用保険に加入できなくなります。仕事中に事故に遭いケガをした場合など労働者の場合は労災保険で治療費などが補償されます。また会社を辞めることになった時も雇用保険のおかげで失業手当が出るので安心して次の就職先を探すことができます。
しかしフリーランスの場合は、事故に遭った時の治療費やその後働けなくなってしまった時のために民間の保険などに加入する必要があります。その保険料は当然全額自己負担になります。仕事が無くなった時の補償もありませんので、貯金をしておく必要が出てきます。このようにフリーランスになるといざという時のための備えを自分でしておく必要があるのです。これは自由に働き、すべてを決断できることの代償といえるでしょう。
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