保険料を抑えるための対策
社会保険料控除を利用しよう
フリーランスになると、会社員時代とは異なり、健康保険は国民健康保険に加入することになります。国民健康保険料は所得によって決まるため、収入が増えると同時に保険料も高くなります。少しでも保険料の負担を軽減するためには、確定申告で所得を適切に申告し、控除を最大限に活用するのが得策です。
国民健康保険料は、所得から一定額を控除することで軽減できます。この控除の一つが「社会保険料控除」です。社会保険料控除とは、支払った国民健康保険料、国民年金保険料、介護保険料などの社会保険料を、所得から差し引くことができる制度です。
控除対象となる社会保険料は、本人や家族が支払った国民健康保険料、国民年金保険料、後期高齢者医療制度の保険料、介護保険料などです。ただし、全額が控除されるわけではありません。支払った保険料の額によって上限が設けられています。
フリーランスの場合、国民健康保険料は自分で納付するため、領収書や納付証明書などを保管しておき、確定申告時に「給与所得者の保険料控除申告書」に必要事項を記入して提出する必要があります。この申告書には、支払った保険料の種別や金額などを正確に記入しましょう。控除額は、確定申告書に自動的に反映されます。
青色申告特別控除を使おう
国民健康保険料の軽減に大きく関わるのが、青色申告制度です。青色申告は、白色申告に比べて、より正確な帳簿づけが必要ですが、その分、税制上の優遇措置を受けられます。なかでも「青色申告特別控除」は、所得を大幅に減らすことができ、結果として国民健康保険料の軽減につながります。
青色申告と白色申告の大きな違いは、帳簿の記帳方法と控除額。白色申告の場合は、簡易な帳簿づけで済みますが、控除は限られています。一方で、青色申告は複式簿記による記帳が必要ですが、最大65万円の青色申告特別控除を受けることができます。
青色申告には、10万円または65万円の特別控除が受けられる「複式簿記」と、簡易な帳簿で10万円の控除が受けられる「簡易帳簿」の2種類があります。65万円控除を受けるためには、正規の簿記の原則に従って記帳する必要があり、貸借対照表と損益計算書を作成しなければなりません。10万円控除を受ける簡易帳簿は、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳の5種類の帳簿で記帳します。
65万円控除を受けるためには、一定の要件を満たす必要があります。e-Taxを利用して申告するか、電子帳簿保存が要件となります。e-Taxを利用しない場合は、事前に税務署に「青色申告承認申請書」の提出が必要です。
青色申告特別控除を活用することで、所得から最大65万円を控除できるため、所得税だけでなく、住民税、国民健康保険料の算定基礎となる所得も減少します。たとえば、所得が65万円減少した場合、国民健康保険料が年間で数万円ほど軽減される可能性もあります。
具体的な節税効果は、所得や各自治体の国民健康保険料の算定方法によって異なりますが、青色申告を選択することで大きな節税効果が期待できます。フリーランスとして独立する際には、青色申告制度の利用を検討し、適切な帳簿づけを行うことで、国民健康保険料の負担を軽減しましょう。
また、事業に関連する経費を漏れなく計上することも大切です。家賃の一部を仕事場として使用している場合は、按分して経費計上でき、仕事で使用するパソコンや書籍なども経費として計上できます。領収書をきちんと保管し、経費を確実に計上することで、所得を適正に申告し、国民健康保険料の負担軽減につなげましょう。
これらの控除を適切に活用することで、国民健康保険料の負担を軽減し、より安定したフリーランス生活を送ることができます。確定申告の手続きは複雑に感じるかもしれません。しかし、どうしても分からなければ税務署や税理士などの専門家に相談するという手もあります。積極的に情報収集を行い、自身にとって最適な方法を選択しましょう。
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保険料を抑えるための対策
フリーランスになると国民健康保険料の負担が増えますが、確定申告で控除を活用すれば軽減できます。社会保険料控除は、支払った保険料を所得から差し引く制度です。青色申告は、最大65万円控除できる青色申告特別控除があり、所得を大きく減らせます。e-Tax利用か電子帳簿保存が必要です。事業経費もしっかり計上することで、所得を減らし、保険料負担軽減に繋がります。確定申告は複雑ですが、税務署や税理士に相談も可能です。More
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